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240127 1/4~5 長野

●1月頭に長野の松本本箱というブックホテルに泊まった。滞在中の観光はほぼせず、読書に没頭して過ごすという初めての体験だった。

●チェックインの機能が近場のカフェにあって、到着するとおやきと飲み物を出してくれた。ホテルの受付には新年らしくおみくじが置いてあり、引いてみると番号ごとにおすすめの書籍が載っていた。私が引いたのは西加奈子の『くもをさがす』というエッセイだった。露天風呂もそっちのけで早々に1階の書庫で読み始める。2/3ほど読んだところで、そっと現れたホテルの人が、号泣して顔がメチャクチャになっている私に「バーの時間ですので照明を暗くしてもよいですか」とていねいにたずねてくれた。いつのまにか夜になっていて、図書室のような空間の一間に地酒とカップが用意された。

●晩ご飯は野趣あふれるコースだった。蜂の子の佃煮、白樺のエキス、鹿のレバー、猪肉、蕎麦粉のニョッキ、いずれも初めて食べた。
たしかに好き嫌いは特にないと記入はしたが、蜂の子白樺猪肉に鯉と鹿まできたのは、さすがにちょっと想定以上にアクが強く、もうちょいスタンダードなものが恋しくなった。酒のペアリングはとても美味しかった。
帰って食事のレビューを調べたら、時期によるが普段のコースはもう少しニュートラルなものが出てくるようだ。新年だったからシェフが張り切ってたのかな。何にせよ自分では絶対に選ばない食材ばかりだったので、振り返ったいまは新体験ができてよかったかも。

●1階の図書館にある本はその場で読み放題だが、自分の部屋へ持って帰るには購入しなければならないので、西加奈子のエッセイと、何冊かデザインにまつわる本を買って部屋に戻った。部屋にも予め何冊かおすすめの本が用意されていて、そちらもかなり気になった。全部読もうと思ったらいくら時間があってもたりない。

●そんな感じで、本を読んだり露天風呂に入ったりして過ごした。

●北向きの部屋は眺めがとてもよく、遠くに雪を被ったアルプス山脈が見えた。わたしは遠くに山のある景色が好きである。小さい頃、東京と横浜の景色には(位置にもよるんだろうけど)山がなくてつまらないと思っていた。札幌は街中でもちゃんと山々が見えるから好きだった。

▼読んだもの、ぱらっとめくったもの、再読したもの
くもをさがす(西加奈子)
カミングアウト・レターズ(RYOJI/砂川秀樹)
えーえんとくちから(笹井宏之)
木村伊兵衛写真全集 昭和時代 第二巻
超動く家にて(宮内悠介)
アンジュール:ある犬の物語(ガブリエル・バンサン)
傷を愛せるか(宮地尚子)

▼開けなかったけど気になったもの
イザベラ・バードの旅(宮本常一)
タイトル忘れた何冊か

●松本本箱で買ったエッセイを家のベッドで読んでいたら夫に驚かれた。奇遇なことに著者が大学時代にゼミでお世話になった人らしい。世界は狭い。

●おばあちゃんは持ち直しました。よかった。

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